債務整理 千葉 僕と妻の1778の物語 | 思いて学ばざる日々

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僕と妻の1778の物語

昨今のいわゆる‘死にもの’に苦言を呈す私ではあるが、この作品はいささか変わっていて面白い。逆に、あの号泣ノリに慣れ親しんで観に行った方は退屈だったかもしれない。
主人公は、友人の売れっ子作家にして「うすぼんやり生きている」と言わしむるSF専門作家(しかも古き善き作風)であり、少年めいた、頭に花が咲いたような言動で、他人の目を丸くさせるキャラクターである。
私はテレビドラマを1年1本見ればいい方なので、草くんの『僕〜』シリーズを1話も見たことがない。それなので、本映画が他作品の流れに沿ったタッチで描かれているのかどうかは判らないのだが、この主人公の人となりがいかにも曲者である。
話が進むにつれてひしひしと感じるのだが、‘死にもの’に向かないポヤンとした性格なのである。たとえば初盤で、ショックや使命感などで頭がいっぱいのはずの朔太郎は、偶然通りかかった玩具屋に飾ってあるフィギュアに喜び、我に返って「何をしてるんだ僕は」と首を振る。このエピソードだけで、もう、この朔太郎なる人物が、少年の心のまま大人になった人物だということが判るだろう。

横溝正史も金田一より戦前の御伽草紙的な短編が好きという私である。朔太郎の書く話について、少年の空想そのままのような不可思議タッチも嫌いじゃない。彼の‘創りだす’というより‘空想が広がる’という他動感を、フィルムとして、現実の延長線上で描く形は楽しい。
星護監督といえば、私は『古畑任三郎』『金田一耕助』を思い出す。どちらも人の死や切羽詰った動機を扱う作品だが、演出にはケレン味たっぷりだ。
本映画も悲劇のはずである。だが、朔太郎の構想を夢いっぱいに映像化する手法に加え、現実世界でも滑稽な演出が目白押しだ。高橋昌也さんの演じる掃除夫、階段の中途半端なところに座り真面目な会話をする二人の間をすり抜ける雑誌社の人たち、憔悴しきった朔太郎を見守る病院の人たち(ちょっとジーザス的な人たちが居るのも面白い)。それらは、僕と妻二人だけの直面する厳しい現実を取り巻きながら、観客の肩に入った力を抜いてくれる。また、純粋の極みである朔太郎の言動を、酷く劇的にさせない緩和剤としても役に立っている。
無論、ケレンでない演出も見事だ。朔太郎のキャラクターと、それを許す節子を存分に表現した平屋の自宅、仕事部屋。おおよそ病院ぽくない内観の病院や、レントゲンにおけるがん細胞の表現の仕方。特に、それを見た朔太郎の感じた眩暈めいた不安、恐怖などを、粒子のアップや印字の揺らぎで表す方法は、少年のシンプルな戸惑いと衝撃を巧みに演出していると思う。


残念なのが、主役の草くん。等身大の青年を演じるのには定評があるが、いかんせんこの朔太郎というキャラクターが突出しすぎている観があり、さすがの名優も持て余すシーンがいくつかあった。
他に誰が?と問われれば窮するのだが、こういうごく難しいキャラクターは、ショーン・ペンや、ソン・ガンホに代表されるようなタイプの役者さんがうまく演じてくれる気がする。(もっと若い人は今思いつかない ;) ちょっとした声のトーンや表情がもう一歩だっただけに、本当に、本当に惜しまれる。
そこがもう少し踏み込まれていれば、後半もっと感情移入できたと思う。
ストーリー上、朔太郎の妻に対する愛情は、穏やかで、あたたかくて、普遍的なのだ。それが、1778話目を記すあのシーンに描きこまれている。
(なにしろ私の泣きポイントは最後のト書き。眉村卓さんが毎日あれをやってらしたんだな・・・と想像したら・・・グッときた)
妻・節子役の竹内結子さんは、最近個人的に大注目の役者さんだ(ある時期を境に、格段に名演技になった・・・気がする)。自分が病だというのに、「ひとりじゃ心配」な夫をあたたかく見守り、苦労を掛けまいとするさまを、素晴らしい表現力で演じている。特に好きなのが、母に車椅子を押されながら、来年の手袋を編むシーン。いままで胸に溜め続けてきた感情を吐露する表現がたまらなく、いかにも節子というキャラクターらしい優しさにも満ちている。
この表現の幅が厚い竹内さんと草くんを並べて見てしまったから、余計物足りなさが募ったのかもしれない。
私が今回特筆するのは、友人の売れっ子作家に正反対の人物像を持ってきて、谷原章介さんがそれを演じたことだ。お調子者なんだか思いやりがあるのだか分からない滝沢をやるにはピッタリのキャスティングだ。地味でのんびりとした主人公夫妻との対比が面白い。
それと、一瞬しか出ないのだが、玩具店主の浅野和之さん、火星人集金人の小日向文世さん(あのシーン、声だけでも良かったのに・・・)が、独特のいい味を出している。
うたの | 映画、書籍等 | 01:41 | comments(0) | - |
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